日本はキャッシュレス化が遅れている?
一般社団法人キャッシュレス推進協議会が発表した「キャッシュレス・ロードマップ2021」によると、世界のキャッシュレス比率は以下のようになっています。
- 韓国:98.7%
- 中国:77.3%
- カナダ:62.0%
- シンガポール:57.6%
- 英国:57.0%
- 米国:47.0%
- フランス:44.8%
- 日本:24.2%
- ドイツ:17.9%
上記は2018年時点のデータです。日本は2109年以降にQRコード決済が広がりを見せ、2020年よりマイナポイント事業が始まっています。
しかし、小売業の店頭購入時に占めるキャッシュレス比率は25~30%に留まっていると見られていて、未だに現金主義が根強く残っています。
インフラ整備は進んでいる
日本はキャッシュレス比率が低いだけで、キャッシュレス決済の普及率やインフラ整備状況は世界に比べて大きく劣っているとは言えません。
キャッシュレス・ロードマップ2021による「世界主要国におけるキャッシュレス決済手段の保有状況(2018)」では、日本の平均は9.0手段でシンガポールに次いで2番目に高い数値です。
2019年以降はLINEペイ、メルペイ、楽天Payが利用者数を大きく伸ばしているほか、デビッドカード機能付きキャッシュカードを保有する人の比率が高まっています。
日本の特徴は現金、クレジットカード、デビッドカード、QRコード決済、電子マネーを併用していて、シーンに応じて決済手段を使い分ける方が多いです。
そして、電車に乗る時は交通系ICカード、ネット通販はクレジットカード、街中の小売店や飲食店では現金払いを選ぶ方が多く、店頭(対面)決済におけるキャッシュレス比率が伸び悩んでいます。
マイナポイント事業や積極的なポイント還元キャンペーンを打ち出すQRコード決済の普及によってキャッシュレス決済対応店舗は増えていますが、現金主義を覆すほどの状況には至っていません。
現金主義が多い理由
現金主義の日本人が多いのは次の理由があります。
- 安全大国(数万円単位の現金を持ち歩くことがそれほど危険ではない)
- 堅実な性格(クレジットカードなど後払い決済による使い過ぎを懸念する傾向が強い)
- 飲食店での割り勘は現金が必要だと思っている方が多い
- 現金払いしかできないお店も多い(ラーメン店、お土産ショップ、露天など)
- ATMを利用しやすい(コンビニなどATM設置場所が多い)
- 現金の方が安くなるお店が存在する(オーケーストアなど)
ご覧のように、安全性・利便性・お得感など複数の理由で現金主義を続ける方が多いです。
このほか、中国や韓国に比べて日本は高齢化が進んでいて、現金主義者を邪険にしたサービスだと売上に悪影響を出しやすいことが関係しています。
現金の方がお得?
相応の現金を常に持ち歩く人が減らない要因のひとつが、キャッシュレス決済に消極的な大手チェーンが存在したことです。
代表的な存在だったのがサイゼリヤと串カツ田中ですが、サイゼリヤは2021年4月よりキャッシュレスに完全対応し、串カツ田中は2020年にQRコード決済への対応を一気に進めました。
少しずつ現金払いしかできないお店が消費者から敬遠されるようになり、キャッシュレスを中心にした生活をする人が増えてきています。
ただし、会員&現金払いだとキャッシュレス決済より3%安くなるオーケーストアや、自社以外のクレジットカードはポイント付与対象外にしたイオングループなど、未だにキャッシュレス化へ消極的な大手チェーンが存在します。
お得に生活するためには現金の併用が欠かせない面があり、現金を持ち歩くのであれば普段の生活は使った金額を管理しやすい現金払いに依存する人が多い仕組みです。
財布の盗難が少なくてATMでの小まめな引き出しに困らない日本は、現在の水準から一気にキャッシュレス化が進む可能性は低いかもしれません。